あなたにこれをススメたい

アニメやラノベの感想とたまに備忘録

体操ザムライ第9話「ニンジャ&ザムライ」感想 プロとしての覚悟

意外に地に足ついた、でもやっぱりヘンテコな体操アニメもいよいよ終盤の9話はプロとしてのあり方の話だった。

 

物語はレオの回想から。

作中の2002年から5年前の1997年に「アラガキ」の完成を見届けるレオは城太郎の背中に覇気を見る。

この覇気が城太郎のある種のやけっぱちというのもが何ともやるせない。

f:id:kimuchang:20201209005955j:plain

 

そして、意外とあっさりと完成する「アラガキMk2」

ここで新技の開発は物語の大きなイベントにはならないのは体操ザムライの味だな〜

そして、城太郎のレオへのど直球なエールからの「フクちゃん」があまりにも城太郎らしくて笑ってしまった。

自分ではあんまり良い話をしてる意識ないんだろな城太郎は。

そこから、フィジカルで金網からの落下を回避したと思ったら足をグネるのかよ!

ここは正直、かなり「エッ!?」となってしまった。

タタでさえ年齢的にハンデあるのに怪我しちゃうの?とか思っていたが軽い怪我だから大丈夫というのは中々部活のスポーツものだと見ない展開でびっくりした。

やっぱスラムダンクみたいに「俺のピークは今なんだよ!」をやると思うじゃん。

 

城太郎の怪我を異常に心配するレオの思いは「ジョーが失敗してダメになるところを見たくない」の後に隠れている「僕のように」という言葉がよく表している。

才能があったが故の周りかの期待に答えられなかったときの冷たい目線がレオを舞台の上に戻ることを阻んでいる。

そして、城太郎も不完全な状態での演技を行い周りから失望されてしまったときに自分と同じように舞台の上に立てなくなってしまうのではないかと心配するのだが城太郎はそれを一蹴する。

「できるのにどうしてやらないんだ。お前なら絶対できる」

なんだか、鬱の人に頑張れって言うな!と怒られそうな気もするがまっすぐな言葉はレオに届かず、レオは再び家を出る。

 

城太郎は妻の死と娘のエールで完全に覚悟が決まってしまっているので「やらない」という選択肢を選ぶレオの痛みはわからない。

わからないから言ってしまうが、それでレオが家を飛び出ても自分のやるべきことをやるとどっしり構えって言って除けるのは良くも悪くも鈍感さが出ててよかった。

 

ここら辺は「プロスポーツ」を題材にしたからこそ出来る話で面白かった。

成果が出なかった場合には周りからの冷たい目にさらされなければいけないというのは、学生の部活物では中々描けない観点だったと思う。

ただ、周りに期待されること・失望されることのつらさにレオはどう立ち向かっていくのか?

それを城太郎たちはどのように後押ししていくのか。

 

アイツに勝つために、憧れの選手に引導を渡すために、どん底でも支えてくれた周りの人のために、愛のために?

選手各々がぶつかり合うであろう次回はどんな試合が展開されるのか

めちゃくちゃ楽しみだ!