劇場版 少女☆歌劇 レヴュー・スタァライト 感想:ボスラッシュは内容が分からなくても面白い
キャラクター達が自分の物語を語り終える瞬間は美しい。
ただし、そのキャラクターを知っていれば。
この但し書きが基本的には必要となる。
むかしテレビでやっていたアニメ名場面ベスト100で燃え尽きたジョーや天国へと行くネロとパトラッシュを何回も見たことがあるが、感動したことはない。
それまで、そのキャラクターが何を積み上げてきたかがそのラストを殊更美しいものにしているからだ。
レビュースタァライトはアニメの1話を報告当時に見たきりで、それからは全く触れていなかった。
あんまりにも評判がいいし、映像が凄いという触れ込みだったので閃光のハサウェイのついでに観に行くかという気持ちで観に行ったらとんでもない爆弾を投下されてしまった。
見知らぬ少女達のぶつかり合いに最初は戸惑ったが、その台詞回しと痺れるような演出にどんどん飲み込まれていってしまった。
次々と変わっていく衣装・舞台がありつつもボタンが取れたら負けというシンプルなルールがあるのも見やすい要因だったと思う。
だからこそ、西條クロディーヌの復活はめちゃくちゃ熱かった。
初見勢の見どころとしては、それぞれの持つ因縁を台詞の端端から推測するのも面白かった。
一番気になったのは星見純那と大場ななの関係性で、大場ななからの星見純那はこの映画でなんとなくわかった気になったが星見純那から見た大場なながどうなっているのかが気になる。
ストーリーと呼べるものはおよそなく、キャラクター達がそれぞれの因縁と信念を決着させていく精神世界でのやりとりのみで120分を走り切るというとんでもない映画だったが、映像と音だけでも面白いと思える素晴らしい作品だった。
アニメを見てからまた観に行こう