禍つヴァールハイト 感想 「どうにもできない」から「どうにかできる」まで
終わった。
良くも悪くもハッピーエンドではなかったが、作品の状況の中ではできうる限りの最善となったベターエンドといったところだろうか。
ただ、最終話直前までワクワクしてみられたいいアニメだった。
「どうせソシャゲアニメでしょ」と侮っていたがいい意味で裏切られた。
今後、ソシャゲのアニメが出てくるたびに禍つヴァールハイトとの比較をしてしまうことになってしまうくらいには自分の中で心に残る作品となった。
何よりも主人公のイヌマエルが良かった。
覇気のないキャラデザに作中でもぞんざいな扱いを受ける感じなど、最近のアニメではほとんど見れなくなってしまったキャラ造形で新鮮に観ることができた。
個人的に印象に残っているのが3話で人体事件の伏線として、行方不明になった少女が化け物となってイヌマエル達を襲うのだが作中では誰も化け物が行方不明の少女であったことを気づかなかった。
この主人公達の「どうにもならなさ」みたいなのがこの作品を最後までワクワクしてみ続けられた理由だったかもしれない。
イヌマエルを含むヘッドキーパーの面々は全員、状況に左右されるだけでこの12話のなかで1人として大きな何かを変えることはできなかった。
でも、みんな目の前の一生懸命でだからこそ心のどこかで「最後にはマリー議員の陰謀を破ってくれるのではないか」と期待していた。
結果として本当の結末はゲームでということになってしまったのだが…
ただ、最近の作品でこういった「どうにもならなさ」みたいなものをドカンと正面から向き合う作品が少なかったし、何よりも面白かったので期待しながら観ることができた。
小さな善性を中途半端に抱え込んだイヌマエルが、そのせいで仲間に見捨てられそうになったり、命の危険に陥ったりしながらもその善性を手放さずに突き進んでいく姿がカッコ良かった。
そんな小市民が「主人公」になるまでの物語として本当に素晴らしかった。
主人公となったイヌマエルがどのように世界を動かしていくのか。
それはゲームでのお楽しみのようなので、アプリをやろうと思います。
今後、傑作ソシャゲアニメとして長く語り継いでいく作品になりました。
って、3月31日にソシャゲがサービス終了しちゃうのかよ!
4月までにストーリー終わらせられるか? と思ったらサービス終了後もストーリーは見れるとのことだけど、これってプレイしてない人でも見れるのか?