ガンダムビルドダイバーズ 感想:これぞ王道ホビーアニメ!
リライズ19、20話を見ていてもたってもいられなくなり、放送当時は2話で見るのをやめてしまったビルドダーバーズを完走したが最終的には手に汗握ってみるくらい面白い作品だった。
主人公は中学生とは言っても頭身低めで視聴対象者はどう考えても小学生だな〜というのが当時の感想だったが、その印象は今回見たときも変わらなかった。
しかし、子供向けだからこそできる王道ホビーアニメの文脈を真摯に描き切ったラストは正直泣いてしまいそうになるくらいの「熱さ」を持っていた。
前半1クール目(1話〜13話)はブレイクデカール編ではチートを引き起こす「ブレイクデカール」と言うツールを広めている黒幕を探しつつ、主人公のリクがガンプラバトルの楽しさに目覚め、自らのフォースを結成するまでが描かれる。
この前半なのだが5話までは正直あまり面白くない。
リクたちが上位ランカーたちからGBNの楽しみ方やガンプラの操縦・作成技術を高めつつ仲間と出会っていくと言う展開なのだが、展開は深夜アニメをバシバシ見ている人間なら大体読めるしキャラクターとしても37歳の小学生や語尾に「ジュラシック」とつけるような奇抜な存在がいないためどうしても退屈になってしまう。
ただ、5話で出てきたくノ一の「アヤメ」はいきなり縄で木に縛り付けられたりと急に薄い本の素材を投下してくるので油断ならない。
個人的に盛り上がってきたのは6話からで、CV田丸さんの「コーイチ」という年齢高めの有名ビルダー(多分大学生とか?)が仲間に加わる回だ。
コーイチはGBNをやっていないのだが、GPDで活躍していたがリアルの機体ではなくデータによるガンプラバトルを受け入れられずガンプラか遠ざかっていってしまった。
こんな新設定であるGBNを否定するようなキャラ出すの⁉︎という驚きと、自分も昔は好きだったモノが良くも悪くも変わっていってしまったのを機に遠ざかってしまったジャンルがあるのでなんとなく身にしみる話だった。
そんなこんなで、7話からついにフォース「ビルドダイバーズ」を結成するのだがここからはストリートしても盛り上がってきて見るのが楽しくなってくる。
放送前に見て心躍らせた「ガンダムビルドダイバーズ プロローグ」で見たような罠や知略を生かしたバトルが見られるのだから面白い!
8話ではネットゲームならではのイベント回でベアッガイに心奪われるアヤメがすごくあざといがオタクなので好きになってしまった。
そして、ブレイクデカール編のラストを飾る10話〜13話はアヤメの裏切りやリライズの回想でも出てきた光の翼などしっかりと盛り上がるのだが、13話が別格に素晴らしかった!!
1人リアル世界で呼び出されるリク。
向かった廃工場にあったのは忘れ去られた技術GDP。そこで待ち構えていた黒幕ツカサ。
ツカサはGPNと違い戦ったら本当に壊れてしまうGDPでのバトルを「本物」だと言い、GPNを憎んでいるのだがあまりにも老害すぎて悲しくなってくる。
だが、そんなツカサが使用するガンプラ「アストレイ・ノーネーム」がめちゃくちゃカッコイイのだ。
そして始まる気合の入った作画のダブルオーダイバー vs アストレイ・ノーネーム はお互いがボロボロになりながらもリクが勝利する。
この回の手書きのロボットだからこその気合いの入ったボロボロぶりがもうたまらないので戦闘目当てにこの回だけ見るのもありなくらいだ!
しかし、自分のダブルオーダイバーがボロボロになっていくのに涙を流しながら戦い止めを刺すリクもしっかり主人公していてよかった。
そして続く14話ではボロボロになってしまったダブルオーダイバーを元に新機体「ダブルオースカイ」が生まれるのだが、このダブルオースカイの胸元は傷き割れ目が入ってしまっているダブルオーダイバーのものが使われているのだ!
そんな、新機体で活躍しつつもGBNにはバグが生じていることが描写されるのが15話〜19話となってる。
個人的に19話「ナデシコアスロン」は今ままでのモブも含めた女性キャラが大集合してトライアスロンっぽいことを行うギャグ回でとても楽しかった。
特にトントン相撲の件はあまりにもバカバカしくて腹を抱えて笑ってしまった。
そして20話〜25話はGBNの存亡をかけた戦いが行われるエルダイバー編である。
20話で謎の少女サラがエルダイバーで存在しているだけでバグを撒き散らし、GBNを破壊してしまう!と言う衝撃の事実が明かされる。
運営はGBNを守るためにサラの消去を決定する。
対するリクたちは開発者である「トリ」さんやGBNのメインシステムをハックする「ブレイクデカール」を作成したツカサと共にサラのデータを外に抽出してGBN側のバグを解決してからもう一度サラを戻す方法を発案する。しかし、この方法の成功率は12%。失敗すればサラもGBNもバグに飲み込まれ消えてしまうため運営は猛反対する。
運営の説得に失敗し、失意に暮れるリクにチャンピオンが声をかける「GBNのプレイヤーの意思決定は決して多数決や誰かの一声で決められるものではない、(中略)万に一つの可能性に君がかけたいと言うのならそれを押し通せる力があると示して見せなければならない、それが果たせれば君には切り開ける未来が生まれるだろう」
この言葉がきっかけとなってサラをめぐる最終決戦が始まる!
正直、GBN側のバックアップ取れないの?エルダイバーの存在そのものの希少性はどうなの?などツッコミどころは満載なのだが、そこは子供向けホビーアニメなので小学生の時の気持ちに戻って多めに見てあげてほしい。
何より熱い!
リクたちのサラへの思いも20話かけて積み上げてきたものがあるので熱いのだが、それに負けないくらいチャンピオンが熱い!
サラの自分が存在するせいでGBNが消えてしまうくらいなら、自分が消えてしまった方がいいだろうと言う自己犠牲の精神に対して「どうして、彼女に命がないと言えるだろう」というセリフを言うのだ。
チャンピオンも心情的にはリクたち寄りな部分がありつつも「チャンピオン」の称号を背負うものとしてGBNを危険に晒すようなことはできない。
その葛藤から生まれたのが上記の言葉なのだ!
すごくちゃんとしている!ビックリするぐらいちゃんとした大人すぎてめちゃくちゃカッコイイのだ!
そして、チャンピオンもタイマンではリクを圧倒するもののオーガの参戦により2対1の構図になって初めて勝負となり敗北するので1対1で負けなしというのも格を落とさない演出でよかった。
リライズを楽しむために見るか〜くらいのテンションだったけど、本当に楽しめる作品でした!
リライズもこれを超えるくらいの熱いクライマックスを期待してるぜ!