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アニメやラノベの感想とたまに備忘録

ひそねとまそたん 感想

マジレス女、女子高生と日本を救うというダイナミックな展開にまで到達した良い作品でした。

岡田磨里はそこまで得意じゃないタイプの人間だけどもめちゃくちゃ面白かった。

「ここさけ」「さよ朝」「WIXXOS」など恋愛が中心じゃない岡田磨里なら楽しめていたので7話の「恋する王国」で、ついに恋愛が始まってしまうのか!という危機感を持っていたのだけど最高に楽しめたので杞憂でした。

CV新井里美の莉々子が最後まで恋愛から無縁のキャラとして描かれていたのも恋愛賛歌みたいにならない要因の一つとしてよかったです。やっぱり、生身の男よりも「キングダム」だよね!

終盤の展開でもう一人の主人公として活躍したジョアおばさんこと74年前のDパイ貞さんがこれまた最高だった。この物語はひそねの成長の物語であると同時に貞さんの74年越しのリベンジでもあるとしっかり感じられてよかった。特に最終話の「ここは我々Dパイの世界。危険のない場所から何を言われても実行できるのは我々のみ。物を言うならここまで上がってきていただきたい」のセリフはめちゃくちゃしびれた。

というか、最終回は本当に詰め込みまくり11話まではひそねの物語だったものが、いっきに「まつりごと」の楔女生贄問題を発端に貞さん、政府、楔女である棗と色んなものを巻き込んでスケールがめちゃくちゃでかくなっていくドライブ感は林トモアキを彷彿とさせるレベルで気持ちよかった。さらに、ひそねが生贄を捧げることに対して「何時何分何秒、地球が何回まわったとき?」とマジレスをぶっこむ姿が本当にカッコよかったし、棗に対する説得も「未来」に対する前向きな感情が溢れていて、ひそねの成長が感じられた。

若干、蚊帳の外だった名緒も自分の道を見つけたみたいで「乗れない人」なりの意地を見せてくれてよかったな~。

他にも星野さんの王道恋愛やノーマとの和解。ジャンピングスライディング土下座などいいところがいっぱいあった作品でした。

 

絵柄もOPもEDもキャラクターもヘンテコなものばかりで構成された唯一無二のアニメでした。ラストが少し雑な気がしないわけでもないのだけど、ここまでやってくれたならいいかなと許せることができるくらい、ひそねをはじめとするDパイの面々や小此木さん、棗ちゃん、貞さんなどみんな好きになれた自分の中では稀有な作品でした。

 

一番好きな岡田磨里作品になりました。

凄く面白かったです。