あなたにこれをススメたい

アニメやラノベの感想とたまに備忘録

超個人的 2018年アニメ大賞

2018年アニメ大賞 エントリー作品

テレビアニメ

アイカツフレンズ

あそびあそばせ

兄につける薬はない

中間管理録トネガワ(ハンチョウ)

うちのメイドがウザすぎる!

宇宙戦艦ティラミス

SSSS.GRIDMAN

こみっくがーるず

斉木楠雄のΨ難 二期

新幹線変形ロボ シンカリオン

邪神ちゃんドロップキック

せいぜい頑張れ魔法少女くるみ

宇宙よりも遠い場所

ゾンビランドサガ 

DOUBLE DECKER ダグ&キリル

ちおちゃんの通学路

はねバド!

叛逆性ミリオンアーサー

ひそねとまそたん

ヒナまつり

ひもてはうす

ポプテピピック

メガロボクス

ヤマノススメ サードシーズン

ゆるキャン△

りゅうおうのおしごと

ルパン三世 PART5

A.I.C.O

キラッとプリ☆チャン

ぐらんぶる

ジョジョの奇妙な冒険5部 黄金の風

 

計31

 

劇場版

劇場版Infini-T Force/ガッチャマン さらば友よ

さよならの朝に約束の花をかざろう

ニンジャバットマン

ペンギン・ハイウェイ

リズと青い鳥

若おかみは小学生!

 

2018年総評

今年のテレビシリーズは長期のキッズ向けを含めないと28本、およそ1クールあたり6本だが2クールものが3本あるので数としてはそこそこかな?

今年から社会人として働き始めてしまったので、アニメを見なくなるかと思いきや寧ろ安定して見るようになって来ているのでアニメは自分にとってのストレス発散なんだなと改めて感じました。

今年はギャグアニメが豊作でギャグ好きとしてはとても嬉しい1年だった。

ただ、ショート枠は不作で「兄につける薬はない」「宇宙戦艦ティラミス」くらいしかグッとくる作品がなかったので「てーきゅう」くらいのパワーあふれる作品をショート枠で見たいんじゃ!

 

劇場版アニメも「リズと青い鳥」「若おかみは小学生」という年間ベストどころかオールタイムベストとして長く語り継がれるであろう作品が2つも出てきた素晴らしい1年だった。

社会人になったことで、お金に余裕が出てきたので来年はもっとたくさんの劇場版アニメを観るぞ!

 

 

ここからは「アイカツミュージックアワード」方式でアニメを紹介して行くぜ!

 

2018年ベストアニメで賞!

テレビアニメ

ゾンビランドサガ 」

劇場版

リズと青い鳥

20181月あまりの完成度の高さに見た人全ての心を動かした「宇宙よりも遠い場所」が逃げ切りでテレビアニメトップであるかと思ったが、そこにcygames×MAPPA×avexで殴り込んできた「ゾンビランドサガ 」は完成度の高さではよりもいに明らかに劣るがアイドルもの特権である歌とダンスをフル活用してパッションを爆発させた「ゾンビランドサガ 」の方が好みだったので2018年テレビアニメ最強はキミだ!

 

劇場版アニメとしては京アニ山田尚子監督によるアニメの可能性を広げてくれた「リズと青い鳥」が受賞だ。

詳しい感想は個別記事に自分の拙い感想を思い切りぶつけたので、そちらを参照していただきたい。

リズと青い鳥」は本当に、本当にもっと評価されるべき作品なのでなんか日本アカデミー賞とかでもいいから、普段アニメを見ない人にこそ届いて欲しい。

 

思わず泣かされたで賞!

中間管理録トネガワ14

 

今年も色んなアニメに泣かされてきました。

終盤の展開に涙を禁じ得なかった「こみっくがーるず

「立つんだジョー!」の一言を引用ではなく、新たな魂のこもった言葉として放った「メガロボクス10

なんかもう色んなところで泣いちゃってた「宇宙よりも遠い場所

明らかに頭身のおかしい絵ヅラからギャグ回かと思いきや何度見ても泣いてしまう「ゾンビランドサガ 」8

 

ただ、想定外に泣かされてしまったのが「中間管理録トネガワ14話のBパートのオムレツライス回である。

歳をとるとこういう人情ものに弱くなっちゃうんだよね

これだけ見ても面白いので、dアニメストアで今すぐ見ようね!

 

1番ダークホースだったで賞!

こみっくがーるず

 

思いもよらないアニメに出会うことが出来ればそれほど幸せなことはない。

しかし、大体は前評判通りで自分の想像を超えるアニメにはなかなか出会えない。

そんな中で可愛い女の子、意外と思い切りのいいギャグ、キャラクターたちの小さな成長、変化を見せる細やかな作画とストーリー、百合。

きらら枠(笑)みたいな認識だった自分の脳みそを後頭部から思い切りぶん殴ってくれた「こみっくがーるず」が受賞じゃい!

 

ラストがすごすぎるで賞!

ゆるキャン△

宇宙よりも遠い場所

 

ラスト5分で思わず「えっ!」と声をあげてしまった作品に送るこの賞。

冬アニメの2大巨頭がW受賞だ!

「よりもい」に関しては全ての人がひっくり返ると同時に涙しただろう。

誰かに並び立ちたいという強い思いを持てる人間の美しさが心に残るラストでした。

 

ゆるキャン△」はラストのなでしこによる1人キャンプがなかったら、自分の中でここまで心に残る作品になることはなかったと思う。

みんなでのキャンプの価値を描いた後にしっかり1人でのキャンプでの価値もなでしこによる1話のリフレインという形で描くというウルトラCには心底驚いた。

ひとりでもみんなでもそれぞれの楽しさがある。そんな、当たり前だけど難しい部分を見事に切り取った最高のアニメでした。

 

良いOPだったで賞!

ゾンビランドサガ より「徒花ネクロマンシー」

新幹線変形ロボ シンカリオンより 「進化理論」

 

「徒花ネクロマンシー」については前口上、SEと自分の好きが詰まりすぎてて今のところ人生でNO.1OPです。

 

「進化理論」は「ガンガンズダンダン」と思わず口ずさみたくなるリズムと歌詞の一体感が最高です!

 

良いEDだったで賞!

うちのメイドがウザすぎる!より「ときめき くらいまっくす」

 

良いEDは音楽、映像のテンポ感の気持ち良さがバッチリの「うちのメイドがウザすぎる!」のEDだ!

 

カオスだったで賞!

「叛逆性ミリオンアーサー」 6話「星を釣ったアーサー」

 

今年も良いカオスアニメが沢山生まれた年だった。

稲垣隆行監督による安定のカオスがブッ込まれまくった「ちおちゃんの通学路

 

顔芸だけではなく、オリヴィア兄のテンプレオタク、リアリティラインをぶっ壊す前田の尻からビームを見せた「あそびあそばせ

 

自分の陰毛と会話しだした「宇宙戦艦ティラミス

 

ちゃんとした相席居酒屋やドカベンネタ、それに声優アドリブのカオスを加えた「ひもてはうす」

 

そんな中でも「ロザリオとバンパイア」以来の昭和の水着パロディを盛り込んできた「叛逆性ミリオンアーサー」6話が受賞だ!

4話のたくあん回も素晴らしかったのだが、今回は手ブラ騎馬戦に軍配が上がった。

シリーズ構成玉井☆豪はヤベェ奴らを集めてるよな

 

存在が薄い本だったで賞!

SSSS.GRIDMAN」より「宝多 六花」

ペンギン・ハイウェイ」より 「お姉さん」

 

受賞理由は今すぐキャラデザを見ていただければわかると思うのです割愛します。

次点は「ゾンビランドサガ 」のゆうぎり姉さんでした。

 

アクション作画が凄かったで賞!

劇場版

ニンジャバットマン

テレビ

はねバド!

 

はねバド!」は1話から最終話まで作画のクオリティが一切落ちない凄まじいアニメでした。

ニンジャバットマン」はジョジョOPのクオリティで90分間映像が動き続ける狂ったアニメでした。

ラストのバットマンVSジョーカーはめちゃくちゃカッコイイ最高の戦いでした。

 

ラストは

俺は大好きだったで賞!

DOUBLE DECKER ダグ&キリル」

 

文字通り俺は好きだけど世間どころか自分の観測範囲のネットのコアなファンもそこまで騒いでいないけど、好きだったアニメに送るのがこの賞だ!

 

完走できた作品はもちろん全て面白い作品であったのだけど、その中でも後半からメキメキと面白さを増してった「DOUBLE DECKER ダグ&キリル」が受賞だ!

5話のA・クロイド殺し!からは全話80点以上の完成度をあげたいレベルで面白いのだが、1~4話がなぁ悪くはないんだけどね……

 

ということで、2018年もたくさんの面白いアニメに出会えてよかったです!

 

来年はゾンビランドサガ のライブに当たってる俺が見える!

ゾンビランドサガ 感想

ゾンビランドサガ 感想

 

個人的には2話のラップから「このアニメいけるぞ!」と思っていたのだけど、ここまでの大ブームになるとは本気で誰も思っていなかったのではないだろうか。

 

アイドルアニメという手垢がつきすぎてもうどうすんだ、という題材に対して「ゾンビ」という要素を噛ませるだけでここまでの作品になるってちょっと天才だとおもう。

 

まず、アイドルという仕事をしたいという動機付けをすっ飛ばせるというのがすごい。

巽幸太郎による強制という形で、アイドルに導入するので「人々を元気にしたい」みたいなポジティブすぎてついて行けねーよ!というような動機にならなかったのがうまい。

ちゃんとした動機付けは3話のゲリラライブを最後まで見てくれた幼女先輩の笑顔というのが視聴者側でも納得しやすい構成で、あそこで初めて「王道のアイドルもの」をやる気あるんだ!と驚いた事は今でも覚えている。

逆にいうと1,2話は一切アイドルアニメの文法に乗っける気のないかなり特殊な回を序盤にブッ込んでいるのがある種のフリになっているのが面白い。

そんな、まともな第3話の後の4,5話はご当地アイドルとしてのどさ回りをゾンビを軸にしたギャグで魅せる「ゾンビギャグ」ものの側面が強調されているのが「せっかくのゾンビ設定で真っ当なことしかやらなかったらもったいないだろ!」という制作側の気合いが伝わってくる。

特に5話は実質たえちゃん回という感じで、さくらとたえの関係性の描写と巽に反抗する愛や地元愛を魅せるサキなどギャグをやりつつもキャラの性格をうまく出しているのが凄い。

キャラの性格が一通りわかったところでどうしてもシリアスにならざるを得ない各キャラの「死」を掘り下げる6,7話は予告を見たときは「ええ~、シリアス回やるの?ギャグが切れてるんだから下手にシリアスやんなくて良いよ」と思っていたのだけど、蓋を開けてみればあまりにも面白くて何回も見てしまうレベルの話で本当に驚いた。

しかも、ただシリアスなだけではなくて洗剤を持っていくたえちゃんや良いところで車に轢かれる純子などギャグもきっちりやってくれるという貪欲さとそれを成立させる手腕にはただただ賞賛を送るしかない。

8話のリリィ回は3回見て3回泣いちゃう笑えて泣ける傑作回としか言えない出来だった。

あんな縮尺ガバガバなパピィと実は「まさお」だったリリィで真っ直ぐな親子愛をやるとか詰め込みまくりなはずなのにしっかり見れるのは凄い。

9話はサキのかつての友人へのエールと再開しても自身の正体を明かせない切なさ、ネットで元ネタが特攻の拓であると知った「!?」が印象的な回だった。

 

物語を締めくくる最後の3話はさくら編であり「失敗しても諦めずに立ち上がれ!」という言葉にするとチープすぎて愛ちゃんのサガジェンヌばりの舌打ちをかましたくなるテーマを全力でやりきった、これぞエンタメじゃい!NYタイムズ見ているか!と言いたくなる最高の展開だった。

「もってない」さくらはかなり極端に描かれているけど、努力したのに報われなかったなんていうのは世の中のほとんどの人が経験したことだと思う。

西尾維新のなんかの作品で「やって後悔するよりも、やらずに後悔した方がいいだろう」みたいなセリフがあったのだけど、それって多分真実でやって後悔した場合にはさくらみたいに再起不能になるくらいまで追い込まれてしまう。やらない選択肢をとれば結果を突きつけられる事はないから、やって失敗した時よりもはるかに傷は浅くて済む。

じゃあ、自分には何もできないと思い込みながら生きるのに必要最低限のことだけやって何にもチャレンジせずに生きていくのが良いのかというと「徒花ネクロマンシー」では「心を無くすことが死(おわり)と知れ」と歌われているようにそれこそ「ゾンビ」に他ならない。

11話、12話前半のふて腐れて何もしようとしないさくらはあの時本当にゾンビになってしまっていたのだろう。

 

たえちゃんのように言葉をしっかり喋れなくても、メイクをしなきゃ人前に出られなくても、一生成長しないとしてもそれは生死とは関係ない。

全てに絶望して、歩みを止めてしまった時たとえ肉体が健康だったとしてもそれは死んでいるのと同じである。

 

2019年を前に改めて背筋を正して人生を生きていこうと思える作品に出会えました。

 

ライブ当たると良いな!

映画「若おかみは小学生」 感想

笑って泣ける、エンターテイメントとして完璧な映画でした。

何となくあらすじとして「両親を事故で亡くした主人公が祖母の家業である旅館に身を寄せて、若おかみとして成長していく」ぐらいの前知識だったが、いい意味で裏切られた。

まず、予想外だったのは女将である祖母が非常に優しい人であったと言う点だ。

こういう作品だと「意地悪な祖母が実は良い人でした」みたいなパターンをやりがちなのだけど、最初から最後まで厳しい部分はあるけれども温かさと優しさを併せ持った人格者として描かれていてとても良かった。

もう一つ素晴らしかった予想外な展開はコメディシーンが豊富にあった点だ。

あらすじからお涙頂戴の重たい作品になるかと思いきや、アニメっぽいオーバーなリアクションで笑いを誘うシーンが沢山あった。

自分が見た回は休日の午前中ということもあってメインの客層である、女児先輩とその親御さんが沢山いたのだがコメディシーンでは女児先輩たちの笑い声が劇場に響き渡っているぐらい素直に面白かった。

 

では、ただただ楽しいだけの作品かというとそんな事はなくて「両親の死」という重たいテーマがずっしりと響いてくる。

おっこは両親の死を機に祖母の「春の屋」旅館に身を置くわけだが、その時も丁寧に挨拶をして元気に振る舞う。若おかみとして仕事をこなすときも、友人と一緒に下校するときも陰鬱な様を見せる事はない。しかし、毎晩両親のことを夢の中で思い返す。まるでそこにいるかのように。

仕事に夢中になっているときは両親のことを忘れられるけど、一人でとこに着いた瞬間に現実に引き戻されてしまうというのは説得力があるし、彼女が若おかみとしての仕事を頑張る理由づけにもなっていてダイレクトに伝わってくる描写だった。

 

今回の映画では、大きく3組のお客との交流が描かれるわけだが、名前と容姿がともにインパクト抜群のグローリー・水領はオタク的には語らずにはいられない。

女の子の憧れるカッコイイ大人の女性で、オープンカーを乗り回す占い師と属性てんこ盛りのキャラだが大人としてではなく、おっこの友人としての立ち位置で登場していたのが面白かった。

おっこが対向車のトラックを見てフラッシュバックするシーンがとんでもなく重たいのだが、そのあとのファッションショーで音楽とともに盛り上がるシーンなんてこれなんの映画だ!?と思うくらいコスプレ的な衣裳が出てきて可愛いし、面白いしで本当に最高だった。

 

人外3人組のウリ坊、美陽、鈴鬼も非常に良かった。

ウリ坊に関しては峰子とのエピソードの時点でちょっと泣いてしまったし、鈴鬼は何よりも食欲優先な食いしん坊というキャラと冷静にウリ坊と美陽に別れを進言するような一歩引いた立場もこなしたのが印象的だった。

美陽はラストの真月の涙を拭おうとする仕草が忘れられない。

美陽が成仏を決意したのはおっこの独り立ちという側面だけでなく、真月におっこという友人ができて安心したからなのだろうと思う。

真月は学校では陰で「ピンふり」と呼ばれ孤立していた。そんなわけだから当然、友人と呼べるような人もいなくて旅館の大人たちと話し合うことの方が多かったのだろう。そんな妹をずっと見ていた美陽にとって真月に良くも悪くも正面からぶつかってくれるおっこという存在は有り難かったのだろうと思う。

 

ラストの山寺宏一が父親を務める木瀬一家はここまでやるか!と思うくらいの怒涛の追い込みでビックリするしかなかった。

この作品は喪失感を抱えた人が沢山出て来る。最初のお客であった神田親子は母を亡くし、グローリーさんは恋人に振られた。真月は姉を亡くしているし、祖母は娘夫婦を、おっこは両親を亡くしている。

そんな中で木瀬一家は幸いなことに身体がボロボロになりつつも誰も欠けることなく春の屋にたどり着くことが出来た。しかし、それはおっこの両親が犠牲となった上で築かれたものとも捉えられる。

でも、おっこは木瀬一家を祝福した。

それは等身大のおっことしてだけではなく、若おかみとしてのおっこがそうさせたのだと思う。

辛いことがあればその傷を癒し、嬉しいことがあれば祝福する。

人としては当たり前で、でも難しいことをおっこが決断出来たのは旅館でお客様のことを第一に考える姿勢を貫き続けたからだろう。

 

 

作画に関しても全編丁寧で動きとしても、所々にジブリを彷彿とさせる場面があったが何よりもおっこが可愛く描かれたいたのが素晴らしかった。

 

テレ東は1年に1回は夏休みに映画版とテレビ版を流すようにして、国民的アニメを狙ってください!

 

本当に楽しい94分間でした!

アイカツフレンズ第23話「叫ぶ、瞬間」感想

脚本・絵コンテ・演出 京極尚彦が唸る!

 

アイドルは天気を動かす!なド根性スポ根をコメディも交えて走り抜ける、濃い30分だった。

1話まるごと鬼才に捧げるという感じで常に作画が良くて、京極尚彦の切れ味鋭い絵コンテと演出でいつも以上にキャラクターが輝いていた。

今までのアイカツシリーズでは寮生活だったので、家族をメインで1本というのは主人公キャラくらいしかなかったのだけど、あいねに続くのが舞花というのは意外だった。

しかも、ボクシングジムを経営して父親の声が諏訪部さんって!舞花の家族が濃すぎて1話だけだとあまりにも惜しいので今後もたまに出てほしい。

 

ブリリアントフレンズカップへの出場権を逃して落ち込むというBGM無しの入りから、ノアさんからの厳しいお言葉と雨や曇りの背景など、重めの画面と展開が続くが親父さんの天丼親ばかとエマのおかげでそこまでストレスを感じないようになっている。

そして、Aパートのラストではじめてちゃんと喋る寡黙だが妹思いのお兄ちゃん(CV:小野賢章)の一言で大好きな「フェス」の花形バードガールに挑む!という脈絡がないけどパワーを感じる展開がヤバかった。

Bパートは雨天のバードガールフェスから始まるのだけど、町中の人が良くわからない鶏カッパを着てる絵面がなんかスゴイ。

雨天のなか飛ぶタイミングをまって固くなる舞花を元気づけるために変顔するエマになんかもう涙が出てしまった。そこから始まった「おけまる」のステージは舞花のカットインも相まってまさに応援歌という感じが出ていて最高だった。そして、最高潮に達したかと思われたテンションで追い打ちをかけるように舞花の「Girls be ambitious !」で昇天した。

 

飛んで、走って、ライブという「アイドルの体力は無限なんだよ!」と言わんばかりのリアルを無視した展開は逆に気持ちよかった。いや、リアルを無視した展開でも気持ちよくなれるくらい「絵」の力強さがあったというべきかもしれない。

 

今回は敗北を喫した「ハニーキャット」の物語でもあったわけだけど、そんな2人が輝くのは別の勝負ではなく、仕事ですらない舞花の原点の1つであろう「フェス」というのがとても素敵に感じた。敗北を勝利によって上書きするのではなく、勝敗とは全く別の場所で敗北の影を払拭するというのはスポ根の文脈を借りていてもスポーツではなくアイドルだから出来ることのような気がする。

 

ただ、ダンシングミラージュのミューズにまでなってしまうのはちょっともったいない気がした。ノアさんが今回初登場だったしもう少し溜めてからミューズになるという展開のほうが自分好みだったかな~とは思う。

 

「絵」の持つ力を再確認させてくれる素晴らしい話数でした。

 

アイカツフレンズって本当におもしろい!

1番の「敵」は何だったのか? 『ご主人さまは山猫姫』感想

BookWalkerの電撃文庫の25%引きセールで以前から気になっていた『ご主人さまは山猫姫』全13巻を一気がしたわけだが、これがあまりにも面白すぎておよそ2週間で全巻読破してしまった。

あらすじとしては8世紀から12世紀ごろの中国をモデルとした架空の帝国「延喜帝国」を舞台に北方の国シムールの姫「ミーネ」とパッとしないがシムールの言葉を話すことができる青年「晴凛」の2人が延喜帝国の興亡に巻き込まれるというみんな大好き王道戦記物である。ちなみに、魔術の類は一切出てこないのでファンタジー的な要素が入るとちょっと……という方でも安心です。

丁寧でありながらテンポのいい物語の運び方やしっかりラブコメを入れてくれるところなどライトノベルの戦記物における教科書と言ってもいいくらい完成度が高いこの作品だが、1番面白いと思ったのは「敵」のあり方である。

1巻のラストから「尊皇討肝」の旗を掲げて摂政を裏から操る苑山燕鵬が敵の親玉として描かれるわけだが、9巻で南と北の両面から攻められて旗色が悪くなると同時に摂政である菰野盛元派のものに殺されてしまう。しかし、これによって帝国はさらなる混乱に陥り挙句には皇帝暗殺まで企ててしまう。

悪の親玉であったはずの苑山燕鵬が死んだはずなのに、帝国の崩壊が加速するというのは字面だけ見るとチグハグな気がする。では12巻で黒幕として帝国への影響力を保持し続けていた鵬儀天膳が親玉なのであろうか?

これも違うであろう。もちろん絶大な影響力を誇っているからこそ帝国再興では邪魔な存在ではあったが晴凛も伏龍も鵬儀を倒すのは目的ではなく手段であった。では、この作品で晴凛と伏龍は一体なにと戦い続けたのであろうか?

それは「組織」だったのではないかと思う。もっと言うなら「組織という枠組みそのもの」だろうか。人は群れを作って生きている。国家もその群れの1つである。国家という数百万人が群れを作るために軍、役人、民衆、皇帝が存在する。これが延喜帝国の大雑把な役割分担であったが同じ形態の組織が長いこと続けばそこには必ず派閥と利権が生まれる。作中では平和な時間が長かったので役人が大きな権力を持つことになってしまった。この役人の暴走によりシムールとの戦端が開かれることとなってしまう。晴凛と伏龍は皇帝の力を借りて組織の再編を行う。

また、北域国の立場は独立した緩衝地帯としてシムールでも延喜帝国にも属さない国となった。ここでシムールと延喜帝国の友和を説くのではなくある程度緊張感のある敵対関係を持ち続けることとしたのが「組織」という消耗品を少しでも長持ちさせる秘訣であるような気がする。組織が腐敗するのは著しくバランスを欠いてしまうことから生じる。策中では大きな戦乱がないために役人が力を持ちすぎてしまい、ろくに戦争の準備もできないところを北と南から攻められた。ならば、延喜帝国としてはシムールとの緊張関係を保ち続けることで軍部の発言力の低下をある程度抑えることができる。シムールとしては帝国を攻め滅ぼそうという過激派を押さえることができる。相容れない同士でありながらも平和を保つことはできなくはないという現実と理想をうまいバランスで配置した落としどころだったのではないかと思う。

月原弦斉は苑山燕鵬との権力争いを避けたことを己の罪として語った。錬涯塾の一人は組織にそぐわないやり方で税収を増やして閑職へと送られた。

この作品では帝国が「愚か者」として描かれる。しかし、決して「無能」とは描かれない。死の直前に派閥の問題をクリアした苑山燕鵬は非常に的確な指示を送っていたし、沢樹延銘の人を人とは思わぬ作戦も伏龍を苦しめた。

「バカとハサミは使いよう」という言葉があるが、ただ能力を持っているだけでは集団の中では不十分で人が人として生きていく以上は自分が力を発揮しやすい環境を見つけることが能力のあるなし以上に大切なのかもしれない。

晴凛は個人の能力としてはそこそこであるが、その根っからの善良さは人に力を発揮させる王としての資質に繋がっているのかもしれない。

 

国って何だろうという漠然とした疑問をもう一度思い出させてくれる、楽しいだけでなく素晴らしい物語でした。

鷹見一幸さんの海洋冒険モノを他の作品を読みながら待ってます。

アイカツフレンズ  16話「みお、勇者になる」 感想

ココロとココロが通じ合って女と女のあいだにビックバンが起こる第16話

 

「みお、勇者になる」というサブタイトルから、ついにアイカツシリーズで柿原優子の全力のギャグ回が見れるのか!と一縷の望みを持っていたが、あいねとみおがひたすらイチャイチャしながらドレスを作る最高の回だった。(柿原優子と言えば『月がきれい』ではなく『ジュエルペットサンシャイン』と『瀬戸の花嫁』と答える人間です)

 

特にBパートからの展開がすさまじく、たまきさんとケンさんを画面の外へと追いやって2人だけで山登りを始める。ここで、図鑑で覚えた知識をフル活用してあいねが興味をもった植物に対してガンガン答えていくみおにオジサンは涙が出そうになりました。

みおは図鑑が大好きだが、きっと今まで山道を歩いて実際の植物を見ることなんてなかったのだろう。もし、みおが1人で山に登ったとしても最短距離での登頂を目指して山の植物に目を向ける余裕もなかっただろう。みおが今回自分の知識を経験とすることができたのはあいねと出会ったからなんだよな~とか思ってたらマジで泣きそうになりました。

さらに、勇者の橋から飛び降りて「デザインに何が足りなかったの?」というあいねの問いかけに対してみおが顔を赤らめながら「あいねよ……」とか言いだした時は気持ち悪いオタクスマイルを浮かべるしかなかったよね!

2人で意見を出し合ってドレスを作っていくのだけど「ハニーキャット」とうまく差別化が図られていたのは「ハニーキャット」がお互いの意見をぶつけ合いながらドレスを作っていったのに対して、「ピュアパレット」の2人はみおの作ったデザインに対してあいねが「袖ならこの形が一番好き」などポジティブに意見を出していくのがとても『らしい』感じがしてよかった。

ケンさんの奮闘によって作成されたドレス作成動画もはたから見たらまったく伝わらないけれども2人の秘密という感じが最後の笑いあいで伝わってきてなんかもう最高だったよね。

次回は伝統のゴシック系キャラが殴り込みということでどんな立ち位置で1人で参戦してくるのか楽しみです。

ひそねとまそたん 感想

マジレス女、女子高生と日本を救うというダイナミックな展開にまで到達した良い作品でした。

岡田磨里はそこまで得意じゃないタイプの人間だけどもめちゃくちゃ面白かった。

「ここさけ」「さよ朝」「WIXXOS」など恋愛が中心じゃない岡田磨里なら楽しめていたので7話の「恋する王国」で、ついに恋愛が始まってしまうのか!という危機感を持っていたのだけど最高に楽しめたので杞憂でした。

CV新井里美の莉々子が最後まで恋愛から無縁のキャラとして描かれていたのも恋愛賛歌みたいにならない要因の一つとしてよかったです。やっぱり、生身の男よりも「キングダム」だよね!

終盤の展開でもう一人の主人公として活躍したジョアおばさんこと74年前のDパイ貞さんがこれまた最高だった。この物語はひそねの成長の物語であると同時に貞さんの74年越しのリベンジでもあるとしっかり感じられてよかった。特に最終話の「ここは我々Dパイの世界。危険のない場所から何を言われても実行できるのは我々のみ。物を言うならここまで上がってきていただきたい」のセリフはめちゃくちゃしびれた。

というか、最終回は本当に詰め込みまくり11話まではひそねの物語だったものが、いっきに「まつりごと」の楔女生贄問題を発端に貞さん、政府、楔女である棗と色んなものを巻き込んでスケールがめちゃくちゃでかくなっていくドライブ感は林トモアキを彷彿とさせるレベルで気持ちよかった。さらに、ひそねが生贄を捧げることに対して「何時何分何秒、地球が何回まわったとき?」とマジレスをぶっこむ姿が本当にカッコよかったし、棗に対する説得も「未来」に対する前向きな感情が溢れていて、ひそねの成長が感じられた。

若干、蚊帳の外だった名緒も自分の道を見つけたみたいで「乗れない人」なりの意地を見せてくれてよかったな~。

他にも星野さんの王道恋愛やノーマとの和解。ジャンピングスライディング土下座などいいところがいっぱいあった作品でした。

 

絵柄もOPもEDもキャラクターもヘンテコなものばかりで構成された唯一無二のアニメでした。ラストが少し雑な気がしないわけでもないのだけど、ここまでやってくれたならいいかなと許せることができるくらい、ひそねをはじめとするDパイの面々や小此木さん、棗ちゃん、貞さんなどみんな好きになれた自分の中では稀有な作品でした。

 

一番好きな岡田磨里作品になりました。

凄く面白かったです。